成果を上げている人のトークスキル

仕事で成果を出し続ける人は、トークスキルが高いという印象があるかもしれない。それが自社の製品の魅力をよどみなくプレゼンできているから成果に繋がっていると思い込んでいる人がいるのであれば、その思い込みは軌道修正する必要があるだろう。もちろんトークスキルが高い人は、トークスキルが低い人よりも製品を売り込むテクニックが優れているといえる。

しかし、どんなにトークスキルが高くても顧客のニーズを正確に把握しないままプレゼンをしていては、良い結果には繋がらない。例えば1人でドライブを楽しむための車を欲しがっている人に、家族でキャンプに行けるような車をいくら言葉巧みに勧めても素通りされてしまうだろう。つまり仕事で成果を出せない人というのは、顧客のニーズを把握する前に自分が伝えたいことを一方的に話してしまいがちなのだ。

この状況をジャンケンにたとえると、相手がグー、チョキ、パーのどれかを出してくる前に自分が先に手を出してしまうようなものだ。そんな状況でジャンケンに負けるのは当たり前のことだといえる。一方、成果を出せる人というのは、顧客のニーズを上手く聞き出してから、自社の製品を提案するという、いわば後出しジャンケンをして勝つ状況を作り出している。車を欲しがっている人には最初に、ご家族で乗れる車をお探しですか、それとも個人的に楽しむ車をお探しですか、と聞けば的外れの車種を提案することはなくなる。自分が魅力を感じている製品を売り込むのではなく、相手の需要を把握してからプレゼンすることを心がけるだけで、成果を出せる人に変わっていくのだ。